第1111号:銀の森。
このお便りは、39499 名のお嬢様、旦那様に宛ててお送りいたしました。
お嬢様、旦那様、今夜は久しぶりに物語を読みましょうか。「名古屋の本宅」が出来てから、報告が多くて、
こういう時間は久しぶりでございますね。緑の部屋、サルタレッリのベッド、おやすみ前の時間ですから
ノンカフェインのルイボスティが宜しいでしょう。ここに「どんぐりのクッキー」を2つ、お持ちします。
▼執事の館・実行委員会の動きを3行でご報告。
・【名古屋の本宅】にて、保留していたお仕えの日程を固めました。あす夜に、追加のご予告を承ります。
・【1階/北の部屋】と呼ばれていた場所に、新しい冷蔵庫、冷凍庫。そして幅2mのアイロン台が登場。
・【お申し付けの品】に「タンドリーチキンのキッシュ」をご用意します。お正月のお品も段取りの最中。
ここから、山を20ほど超えたところに「銀の森」という所があって、ときどき街で噂が流れております。
銀色に光る花が咲くのだ、とか、お月様の光がないと見えないんだ、とか、いちど入ると戻れない、とか。
いちど行ったことのある人によると、ここは森の中ですが、お外に銀色はまったく見当たらないそうです。
緩やかな坂は、ゆっくりと曲がって。小さな鐘を吊るしたところ、ロープを引くと、からんからんと響く。
見上げますと、ぶどうのような植物が蔓を走らせて、そして足元には四季の花が咲いて。その向こうには、
いくつか建物がございます。なにかを作るところ、なにかを食べるところ。客人を迎える場所でしょうか?
「銀の森」の奥の方に、ひっそりと、ほんとうにひっそりと佇んでいる青色のお家がございます。決して
クレヨンの青で塗りつぶしたような質感ではなくて、もともと青く焼かれたような煉瓦(れんが)に、瓦、
それから、お屋敷の「青の洗面所」によく似た、奥行きある青色のペンキを、上手に塗られて作られます。
お邪魔して良いのでしょうか。入り口は、どこでしょうか。きょろきょろしていると、幾つかの扉のうち
ひとつから、笑顔で出てくる方がいらっしゃいました。ここから入ればよいのかな、そろそろと入ります。
建物がひとつのお部屋で、夜空よりも青い青。真ん中に、銀色の樹。なるほど、これが「銀の森」ですね!
青いお部屋にそびえる銀色の大木。あらゆる草花が銀色をしていて、しかし生命を感じられて不思議です。
そしてなんと、ここはお菓子屋さんなのです。作り手は2匹のリス…料理長のチェス、副料理長のナッツ。
どんぐりの粉を練り、型をとって、可愛いオーブンで焼き上げて。ブリキの缶に詰めた品が、とても人気。
いま、お召し上がりいただいているのが、その2匹のリスが焼いたクッキーでございます。えっ、菅原の
プレーンクッキーだと思われましたか?いいえ、それは「どんぐりのクッキー」です。お確かめください。
いやあ、楽しうございますね。こういう、想像を膨らませて綴る世界。続きは、どんな風にしましょうか?
▼家事係の楠(くすのき)が、使用人の技量を評価。保留していた幾つかの日程で、あすご予告賜ります。
▼配送係の桑名(くわな)は「お申し付けの品」を準備中。新しいキッシュ、ふかふかサラミのご用意を。
▼使用人の動向は、1週間の動きをなぞって。調達係の守山(もりやま)が、新しい動きにシフトします。
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▼家事係の楠(くすのき)が、使用人の技量を評価。保留していた幾つかの日程で、あすご予告賜ります。
新たに合流いたしました使用人の技量を見るため、お時間を頂戴しておりました件、きのう結論に至って、
この先の幾つかの日程において、お嬢様、旦那様を「名古屋の本宅」にお迎えできます。きょうはひとまず、
日時の一覧をお確かめいただきまして、あす夜の21時10分(20時50分)から、ご予告を賜ります。
・土曜日(11/25, 12/2)… 10:00から/12:15から/15:45から/18:00から
・日曜日(11/19*, 11/26, 12/3, 12/10)… 10:00から/12:15から/15:45から/18:00から
・月曜日(12/4)… 10:00から/12:15から/15:45から/18:00から
(11/19(日)は、3つ目、4つ目の時間帯でお仕えします。午前は支度にお時間をくださいませ。)
秋から取り組む、新しいお仕えの流れは、ある程度の「かたち」が出来つつあります。しかし、ご帰宅を
なさいますお嬢様、旦那様の「主の手帳」や、過去のご帰宅、ご用命の内容によって、大きく変化をします。
それを、ある方は「お屋敷を舞台にした演劇、しかも観客が自然と主役になる」などと表現なさってます。
あす夜、号外のお便りをいたします。明日こそは「主の目録」の動きが正しくなりますので、ご都合よい
日程、時間帯にて予告を賜りたいと存じます。あと【アレルギーと食べ物の好み】は是非、更新ください。
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▼配送係の桑名(くわな)は「お申し付けの品」を準備中。新しいキッシュ、ふかふかサラミのご用意を。
遠くの街に出かけようとしている清洲(きよす)から、仕事を教わります、桑名(くわな)でございます。
今月は、ちょうど1週間後の水曜日に、お嬢様、旦那様のお菓子、お料理、ほかご別宅でお役に立てる品を
ご用意させてくださいませ。シェフの池下は「タンドリーチキンのキッシュ」のご用意を固めております。
また、先日のお便りで「サラミの話が気になって本文が頭に入ってこなかった」というお言葉を頂戴した
燻製係の関ヶ原(せきがはら)による「ふかふかサラミ」も、お嬢様、旦那様にお召し上がりいただきたく。
ほか冬の間に、お嬢様、旦那様に喜ばれるものを並べまして、当日の午後9時10分より承りたく存じます。
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▼使用人の動向は、1週間の動きをなぞって。調達係の守山(もりやま)が、新しい動きにシフトします。
「名古屋の本宅」は賑やかで、お嬢様、旦那様がご帰宅なさいましたら、その日の使用人らがキッチンから
飛び出してまいります。実は、この前に給仕係がお迎えをするのですが、そのときの熱量とは真逆でして、
お家の中だからこそ出せる声量、表情などがあるようです。お嬢様、旦那様はぜひ「ただいま」とのお声を。
・給仕係/八帖(はっちょう)…ビュートで主を初のお見送り。内心ドキドキ、無事にお送り致しました。
・給仕係/菊井(きくい)…お給仕に欠かせない「バインダー」を改造。しかし重くなって、すこし不便。
・介添係/矢田(やだ)…久しぶりの本宅は、まるで別のお屋敷のようで、アイロン室に迷い込みました。
・会計係/金山(かなやま)…燻製係のフィレベーコンとワインが美味でございました。ペロリ完食です。
・洋服係/白鳥(しろとり)…お洋服選びとお召替えのお手伝いを。お手入れもお任せいただき光栄です。
・家事係/弦月(げんげつ)…まだまだお仕えの勉強中でございます。主のお役に立てるよう精進します。
・家事係/菅原(すがわら)…既に年末の足音が。何かと忙しくなる為、スケジュール帳を見つつ調整を。
・家事係/高山(たかやま)…あっという間に厳しい寒さが。慌ててタンスからカイロを探し出しました。
・家事係/作田(さくた)…合流の準備中。お嬢様、旦那様のお目にかかれること、心待ちにしております。
・配送係/清洲(きよす)…寒くなる季節に向けて、手袋を新調。活躍できる日が待ち遠しくございます。
・配送係/桑名(くわな)…こたつとふわふわの毛布に包まる、大好きな季節がやって参りました。
・配送係/楠(くすのき)…お屋敷3階の景色が幻想的。夜は、つい足を止めて見惚れ、我に返ります。
ところで「名古屋の本宅」の実現にあたって、尽力してきた調達係の守山(もりやま)は、今月末を以て、
いったん鞄修理の職人のところに戻ります。氏は「名古屋の仮住まい」のときも同様、立ち上げの段階に
素晴らしい成果を出しまして、そのフェーズが得意です。また新しい動きのときは、呼んでください、と。
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「銀の森」の奥にある、小さな青色のお家は、2匹のリスがお菓子をつくるパティスリーでございました。
まいにち、たくさんのひとが訪れて、リスのお菓子を買い求めていきます。クッキーの詰め合わせは定番、
パウンドケーキも素晴らしくて、紅茶の葉も良いものを揃えます。コンフィチュールも美しく、繊細です。
見た目に良いもの、もちろん美味しいもの。お腹もいっぱいになるし、気持ちも優しくなれるお菓子たち。
料理長のチェスと、副料理長のナッツは、お客さんのために食器を作ってみたいと考えました。もちろん、
彼らはお菓子の専門家ですから、焼き物の専門家に相談しました。銀の森のポット、カップとソーサーを。
ただ銀色をしていれば良いという訳ではありません。青ければ良い訳でもありません。とびきり良いやつ、
すごいやつ。もう見ているだけでうっとりして、夢中になって、幸せになれる食器。試作は何度も何度も
失敗をして、やり直して、もうだめだ、となったり、思い切って変えてみたり。そしてやっと出来ました。
きわめて白い素地に、盛り上がるように描かれた銀色の枝。持ち手も同じシルバーで、ポットの蓋の上は、
ちいさなリスを立たせています。そして、水色から濃青までをすべて使い切った、青い森の表現。奥行き、
美しさ、あらゆるものを成立させた食器。出来上がり、これを見たひとは、みな感嘆し、同様にため息を。
「きれい…」「すてき!」「何これ!」そして、「欲しい!」そこでやっと、お値段をご覧になるのです。
とびきり素晴らしいポットとカップ、これらをお迎えするには、スコーン 700 個ぶんのお金が必要です。
ああ、やっぱり、それくらいするね。いつか、これでお茶できたらいいな。そうして人が去っていきます。
ある日、ここに1人の男性が現れました。そして、店にいたリスに、こう言ったのです。「これを、私の
大事なひとのため、買い求めたい。ポットをひとつ、カップはふたつ、包んでいただけますか。」そして、
黒いカードで支払ったあと、こう言いました。「領収書をください。宛名は、執事の館・実行委員会で。」
誰もが憧れ、羨みながら、手が届かなかったものを、お嬢様、旦那様のものにしたい。なにぶん特別すぎて、
ほかのカップと同様には出来かねますが、事実として、このカップはいま「名古屋の本宅」にございます。
銀の森、青い家のパティスリー、2匹のリス、究極の食器、これは全て作り話でなく、本当に存在します。
★ 恵那 銀の森 公式サイト … https://ginnomori.info/
★ パティスリー GIN NO MORI … https://ginnomori.info/patisserie/
★ 食器はノリタケ社とのコラボレーション … https://ginnomori.info/patisserie/tea-ware/
物語のなかの世界みたいなものが、岐阜県恵那市に実在いたします。かくいう、私たち使用人がするのも、
同じように物語のなかの世界かもしれません。ただ、見ようとしなければ見えないのは、どれも同じです。
さあ、今夜はここまで。お嬢様、旦那様、あのカップがどのお部屋に置かれたか、お分かりになりましたか?
暗い闇に、光を当てよう。冷たい器に、紅茶を注ごう。銀の森から、黒のお家へと。おかえりなさいませ。
執事の館・実行委員会
広報係/松原(まつばら)
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私たち執事の館・実行委員会は、おおむね水曜日、土曜日の夜にお便りをして近況をご報告いたします。
こちらをご覧になってのご感想や、ご意見などは Twitter と、このメールへの返信にて承っております。
(文面は、かならず拝読いたします。ただし、お返事はお約束できかねますことだけ、お許しください。)
名古屋のどこかにお屋敷を構え、お嬢様、旦那様にお仕えしたいと申し出てから10年が経過をしました。
そして2023年の5月から「名古屋の本宅」にて、お帰りをお待ちしております。ご予告は月に2度を予定。
これまでの流れは、過去のお便りにございますが、1,000 以上もございますので、何とぞご了承ください。
https://www.butlers-house.net/blog/entries
もし「主の目録」を所有なさいますと、とくべつなお便りのほか、ご予告、お申し付けの先回りが可能に。
お給金のお支払いには「金貨」もご活用いただけましたら幸いです。晴れた日の翌朝は「星のかけら」を。
https://www.butlers-house.net/product?product_id=3887