喜ばれると、嬉しい。
執事の館・実行委員会は、お嬢様、旦那様にお仕えする使用人を、幾つかの係で募っております。
自らが何者であるか、それ以前に大事なこと。
執事の館・実行委員会は、お嬢様、旦那様にお仕えする使用人さんを募っております。「名古屋の本宅」と呼ぶ場所でのお仕えも、主(あるじ)の「ご別宅」に届けることも、そのほか裏方として働くことに誇りをもち、正当な働きに、正当な対価を受け取ってくださる方を求めます。幾つかある「係」や、待遇などについては、このページに記載しておりますが、もし不足や不備などがございましたら、ためらうことなくお尋ねくださいませ。
このホームページの、ほかのところでも触れておりますように、私たち執事の館・実行委員会は「コンセプトカフェ」と呼ばれた業態に着想を得て始まりましたが、独自の成長と発展をして、今日(こんにち)に至ります。執事、という語句がございますが、これはあくまでアイキャッチで、実態としてはお嬢様、旦那様にお仕えしている使用人たちは、自らが何者であるか、あまり強いこだわりを持っていません。それよりも、これからお仕えするお嬢様、旦那様に驚かれるほど、喜ばれるにはなにをするかを考え、実行しております。
執事の館・実行委員会という組織の、外からご覧になる印象は人それぞれ、多様かと存じます。どちらかといえば華やかでエレガントと思われるかもしれません。しかし、のんびりゆったり、穏やかなひとときは、主(あるじ)のためであって、お仕えの現場は、もうすこしコンパクト、そして客観的にできる指標と仕組みで動きます。その認識にギャップがあるかもしれないことを、雇用する側も、雇用される側も、知っておくと幸せになれるでしょう。
前例なきこと。そして、類似なきこと。それは誇らしくもありますが、悩ましくもあります。できそうだと思ったことができない。簡単に見えたものが、難しい。そういう場面において、後述する6つのルールを参照しながら行動できれば、きっと私たちは、もっと高い価値を提供できると信じております。もし、いつか、お仕えする側として幸せになりたいとお考えになりましたら、執事の館・実行委員会の求人にご応募をください。いつかご一緒できることを、心から楽しみにしております。
現在、下記の職種を募集しております。
2024年10月21日の更新です。
給仕係
ご帰宅をくださったお嬢様、旦那様を玄関にてお迎えし、「赤の部屋」にご案内し、お仕えいたします。ときどき「執事さん」と呼ばれることもございますが、本人たちは自らの肩書きに、あまり興味がないようです。お嬢様、旦那様にご満足をいただけているかどうか、が全てと述べます。(勤務地:名古屋の本宅/所在地は非公開)
介添係
テーブルメイク、館内のお手入れなど様々な事柄を担います。「名古屋の本宅」では、家事係と役割が重なるようになりましたが、やはり「ばあや」という存在は大きゅうございます。お嬢様、旦那様に正しいマナーをお伝えすること、お話に耳を傾けることも大切な役目。(勤務地:名古屋の本宅/所在地は非公開)
家事係
「名古屋の本宅」にてお嬢様、旦那様からお申し付けいただくお飲物の用意、お食事の盛り付けなどに励みます。そのほか備品や資材の管理や発注なども。積極的なコミュニケーションの機会は稀ですが、ご帰宅なさった主(あるじ)に、名乗りつつ、ご挨拶をいただきます。(勤務地:名古屋の本宅/所在地は非公開)
シェフ/パティシエ
「名古屋の本宅」の「赤の広間」でお召し上がりいただくお料理、お菓子をお任せします。和食、洋食、中華などジャンルは問わず、条件が揃えば「お申し付けの品」でもご活躍いただきます。(勤務地:名古屋の拠点/名古屋市中川区)
配送係
お申し付けの品(通販商品)をご用意するため、職人、使用人と調整をしたり、資材を管理する役目。その名前から、運送、運搬を想像しやすいですが、実際にはデスクワークが中心です。試食は執務の一貫として、執事の館・実行委員会に認められています。(勤務地:名古屋の拠点/名古屋市中川区)
会計係
お嬢様、旦那様から頂戴いたしますお給金のことや、商社、職人さんへのお支払いなど、お金にまつわるお仕えは会計係の役割です。「名古屋の本宅」の実現から、この係は決まった場所に仕事場を置かないこととしました。必要に応じて、拠点や本宅、金融機関などを回ります。(勤務地:自由/リモートワーク)
待遇について
立場ごとに異なりますが、執事の館・実行委員会に属する使用人の待遇をご紹介します。このほかにも、お勤めになる場所や、時間帯などによって、つど待遇を調整して、使用人さんをお迎えしております。ご要望、ご質問などは採用係にお伝えください。
正社員(給仕係/家事係)
月給:276,000 円~
- 試用期間は設けておりません。
- 「名古屋の本宅(ほんたく)」にて【週休2日】のお仕えです。
- 交通費を支給します。(上限 8,000 円/この金額はまもなく引き上げられる見通しです。)
- 物価手当を支給します。(一律 5,000 円)
- おしゃれ手当を支給します。(一律 3,000 円)
- 賞与の支給実績がございます。
- 昇給の実績がございます。
- 社会保険に加入しております。
- 入社から6ヶ月間は有給休暇の前借りができます。(ただし、ご自身や誰かの痛みに寄り添うときに限ります。)
- 制服を特注あるいは調達し、貸与します。
- 使用人のためのロッカーがございます。
- 休憩スペースがございます。
- 自動車の運転講習を委員会が負担します。
- 主(あるじ)にご用意するお品は全て試食いただきます。
- 給与明細にはクッキーが1枚、添えられています。
準社員(給仕係/介添係/家事係)
時給:1,500 円〜
- 試用期間は設けておりません。
- 「名古屋の本宅(ほんたく)」にて【シフト制】のお仕えです。
- 交通費を支給します。(上限 8,000 円/この金額はまもなく引き上げられる見通しです。)
- 物価手当を支給します。(一律 5,000 円/月の支給額が3万円を超えることを条件としています。)
- おしゃれ手当を支給します。(一律 3,000 円)
- 社会保険に加入しております。
- 入社から6ヶ月間は有給休暇の前借りができます。(ただし、ご自身や誰かの痛みに寄り添うときに限ります。)
- 制服を特注あるいは調達し、貸与します。
- 使用人のためのロッカーがございます。
- 休憩スペースがございます。
- 自動車の運転講習を委員会が負担します。
- 週の最後のお仕えとなる火曜日は、残った食材を前に話し合います。
- 給与明細にはクッキーが1枚、添えられています。
正社員(配送係/会計係)
月給:220,800 円~
- 試用期間は設けておりません。
- 「名古屋の拠点(きょてん)」にて【週休3日】のお仕えです。
- 交通費を支給します。(上限 8,000 円/この金額はまもなく引き上げられる見通しです。)
- 物価手当を支給します。(一律 5,000 円)
- おしゃれ手当を支給します。(一律 3,000 円)
- 賞与の支給実績がございます。
- 昇給の実績がございます。
- 社会保険に加入しております。
- 入社から6ヶ月間は有給休暇の前借りができます。(ただし、ご自身や誰かの痛みに寄り添うときに限ります。)
- 服装は自由です。髪型、髪色も自由ですが、似合っていると「係長」が評価するかが前提です。(配送係には制服ができました。)
- 使用人のためのロッカーがございます。
- 休憩スペースがございます。
- 自動車の運転講習を委員会が負担します。
- 「おいしい」を言い換える100のリストが渡されます。
- 給与明細にはクッキーが1枚、添えられています。
準社員(在宅でのお仕え)
時給:1,300 円〜
- 試用期間は設けておりません。
- 好きなところで、好きなときにお仕えいただきます。
- 交通費を支給します。(上限 8,000 円/この金額はまもなく引き上げられる見通しです。)
- 物価手当を支給します。(一律 5,000 円)
- 社会保険に加入しております。
- 入社から6ヶ月間は有給休暇の前借りができます。(ただし、ご自身や誰かの痛みに寄り添うときに限ります。)
- 服装は自由です。髪型、髪色も自由ですが、似合っていると「係長」が評価するかが前提です。
- たまにガトーショコラの端切れを貰えます。
- 給与明細にはクッキーが1枚、添えられています。
いつか、お仕えする側として幸せになりたい方は、こちらにお進みください。
お伝えしたい事柄
年齢と性別について
執事の館・実行委員会は、日本における求人の規則(職業安定法)を参照しながら、主(あるじ)にお仕えする使用人さんを募集いたします。このページに記載している年齢や、性別の表現は、あくまで「主と使用人」の関係性を強調するための演出であり、求職者の自由なご応募を妨げるものではございません。躊躇うことなく、お申し込みください。
髪型と髪色について
執事の館・実行委員会に、いわゆる髪型や、髪色についての規定はございません。ご年齢やご体調によって、望まなくても個性的に見える方もいらっしゃいますし、人種によってお色目や質感が異なりますから基準を設けること自体が不毛だと考えます。また、近年はファッションやカルチャーに対する理解が深まりつつあって「根拠なき清廉さ」に固執する必要がなくなっています。だからといって好きな時に、好きな髪の色にして良いかというと、その前に確かめておく事柄があるでしょう。それは、物語(背景)があるか、ないかです。その髪型にする動機は何か、その髪色で自他にどう思われたい、思われたくないのか。それを伝える努力を怠ったまま、とつぜん好きな色にして周囲を驚かせていたら、まるで他人に興味がない、自己中心的な人物と思われても仕方がありません。
私たち執事の館・実行委員会は、どの役職においても、お嬢様、旦那様のお目に掛かる可能性があります。職人さんや、お取引様とも顔を合わせます。前述のとおり、規定がないのですから、好きなようになさっても良いでしょう。ただその時は「ほんらい他者が覚えなくてよい違和感」を与える可能性がある、ということを自覚すべきです。その影響が仕事や関係性に現れてしまったら、その責任と評価はご自身のものです。それは今に始まった話ではなく、何年も何十年も前から、世の中で誰かが個性を表現するときに必ず直面してきた問題なのです。その部分を棚に上げて、ご自身の自由や権利を主張なさるなら、すべてのリターンとリスクをご自身で抱えて、ご自身で事業をなさることをお薦めします。けっこう大変ですよ。
執事の館・実行委員会は、長年にわたってお嬢様、旦那様にお仕えする過程で、いわゆる「使用人(執事/メイド)」のステレオタイプ(多くの人に浸透している先入観や思い込み)ではなく、「好きな服を着て、好きな髪型でお仕えして欲しい」というご意向を頂戴しました。もちろん全ての主がそう仰った訳ではありませんが、「うちの使用人は〜であるべき」などの押しつけをなさらない、そのお優しさ、大らかさ、器の大きさに私たちは敬意を抱いています。そのご厚意を、当然のことと思ってはなりません。もし、個性ある装いをするのであれば、その動機や文化的な背景をていねいにご紹介、ご説明し、共感まではいかなくても理解をいただく努力は続けましょう。その前段階あっての「規定なし」です。
昨今、労働者の権利は当然のものだとおもう風潮が強まっています。そういう解釈で綴られている文章がインターネットに多く見られます。そして10年前、20年前と文化は変わっていて、私たちはなるべく肯定的な立場にいようとしています。ファッション、ダンス、音楽、演劇、ゲーム、写真にグラフィック、VTuber やコスプレなども立派な表現です。昔よりも、パレットの上に出せる絵の具の数は増えたのに、いつまでも黒だけで描き続けることが正しいとは思いません。(黒だけの絵も綺麗ですけれど。)ただ、過去の経緯を知り、先人に敬意を払うことによって、いち使用人であるあなたが、いち社会人であるあなたが、愛され親しまれると私たちは信じています。面倒くさいように思うかもしれませんが、この流れは全ての「お仕え」に共通しますので、ぜひ覚えておいてください。
お給料について
10年かけて実現した「名古屋の本宅」は、かつての「名古屋の仮住まい」よりも使用人のお給金を高くしております。これは、昨今の物価上昇や、雇用情勢などを踏まえた前向きな選択です。しかし、提示する額面では足りないとお考えの場合は、ご応募の際にお書き添えください。ご自身の技量、資質をもとに、評価させていただきます。
交通費について
執事の館・実行委員会は、使用人さんを雇用するにあたって、お住まいと「名古屋の本宅」、あるいはお住まいと「名古屋の拠点」の移動手段をお尋ねして、交通費を支給しております。ただ、ここに上限を設けていることをご了承ください。現時点では 8,000 円。近々、12,000 円にする予定です。これは、高い家賃を負担して、なるべく都心に住まうひとに対する配慮がございます。また最近は、徒歩で通えてしまう使用人さんに、一駅分の支給をしたり、雨天時のタクシー代金などを負担することも議題に上がっております。
入社日について
近年、執事の館・実行委員会の参加、参画を望まれる方が増えて、たいへん嬉しく思います。ただ、応募者さまとのコミュニケーションをする中で、「半年先の入社を考えている」、「来年の今頃に合流したい」というお考えもおありです。私たち執事の館・実行委員会は、たとえお人柄がよく、活躍できる資質があっても、その時点の使用人たちに不足がなければ、採用できかねます。(採用しません。)もし、人手が足りなくなったら声をかけて欲しい、という要望も歓迎いたしますので、ぜひお聞かせください。
「名古屋の本宅」の場所について
「名古屋の本宅」は、お嬢様、旦那様のご自宅という考えから、一般に所在地を公開しておりません。また、いわゆる会員登録をなさった主(あるじ)でも、ご帰宅の予告が成立するまでお伝えしておりません。したがって、ここに勤務地である「名古屋の本宅」の所在地は掲載せず、ご応募をいただいてからお伝えしたいと思います。名古屋駅から30分でたどり着ける、名古屋市内の住宅街、とお考えください。なお名古屋市中川区にございます「名古屋の拠点(きょてん)」では、研修や打ち合わせなどを行なっております。ご参考までに。
過去の経験について
飲食店やホテルなどの勤務経験が無くとも「名古屋の本宅」でお仕えいただけます。事実、いま給仕係や、家事係としてお仕えしている者の半数以上が、過去に飲食業での経験がございません。
お犬さんについて
かねてより執事の館・準備委員会はお犬さんの求人を検討してまいりましたが、夏期の過酷な環境がお犬さんにもたらす影響、動物アレルギーをお持ちの主への配慮、飲食店営業許可を受ける立場として充分な環境を確保するために、採用を見合わせることといたしました。「名古屋の本宅」を実現するにあたって、お嬢様、旦那様のご意見を伺った結果としてご理解いただければ幸いです。
いま 22 歳未満で、使用人を志される方に。
たいへん申し上げにくい事柄ですが、私たち執事の館・実行委員会は、国内の法律を順守し、かつ極めて健全に、外部からの資本を入れずに運営しております。それゆえ長きにわたって行政や近隣に温かく見守られ、金融機関、保証協会などからも認められていると自負します。しかし、採用活動にあたっては「親御さんと同居なさっている16歳から22歳くらいの応募者様」が、合流の直前、あるいは合流直後に「親に反対された」という理由で離れられる例が多くございます。
私たちのお仕えは、かつての「コンセプト・カフェ」のムーブメントに着想を得ましたが、いま広く知られます「コンカフェ」さんからは、まったく異なるものとして見られています。(敵対するようなところはございません。)主(あるじ)からドリンクはご馳走になりませんし、一緒に撮影することもありません。お出かけ、同伴などもってのほかです。そもそも多くの使用人が、普通の服でお仕えしています。ご興味あれば、トルソーに掛かっているもののお写真をご覧いただきます。(いずれ、この頁にも掲載される予定です。)
言ってしまえば、これは大人が本気になってしている、真剣な「おままごと」です。「おままごと」のために、けっこうな金額を(クリーンな手法で)調達し、土地と建物を確保し、職人と使用人でリフォームし、たくさんの照明や家具を調達、改造して設置しました。そしていま、毎日、誰かに喜ばれたい老若男女が「使用人」としてお仕えしております。ここは「使用人しかいないお家」で、そこに帰るひとを待っているのです。お給金は2万円。2万円から上、ではなく2万円です。利益率は 20 % を目標として、大きな儲けは求めていません。
断言いたします。執事の館・実行委員会(株式会社九十)に、暴力団や反社会勢力と呼ばれる人たちとの繋がりはございません。手垢のついた言葉ですが「信用」と「実績」を12年間、お嬢様、旦那様に積み上げていただいて今日があるのです。前例なきことに取り組み、少しずつ理解を得るよう努めてきた私たちのことを、早い段階で「怪しい」とか「いかがわしい」と見なす方がいらっしゃいますが、それは明らかに敬意を欠いた振る舞いです。もしご家族のなかに、そういう受け止め方をなさって、考えを改めていただけない場合は応募をお控えください。(なさらないでください。)
いずれにせよ、私たちにとって大切な主(あるじ)にご迷惑をお掛けすることは避けねばなりません。日本国内の法律、規則の上では、突然お仕えに来られなくなった使用人さんや、お仕えの妨げをなさった親御さんに、賠償などを求めることはできません。私たちには「そのような使用人を採用した責任」があり、「そのような状況を想定し、回避、解決する責任」がございます。それだけ、日本という国は労働者を守るようにできているのです。なので、いま、ご応募をいただく前の段階で強く申し上げます。ご家族の理解を得たうえでご応募ください。あるいは、ご自身の意思で職業を選択できるようになってから、ご応募ください。
私たちは、日々のお仕えを、誰にでもできる、簡単なお仕事などとは申しません。3人のうち2人は断念をなさいますが、3人のうち1人は天職と申して楽しそうに働きます。そういうところです。繰り返しで恐れ入りますが、ご自身が精神的にも、経済的にも、扶養される立場にいらっしゃる場合は、親御さんの干渉を受けるまえに理解を得るなど、責任のある言動お願いいたします。そのとき事前の見学や、ご説明などがお役に立てるなら、私たちは精一杯の対応をお約束します。すこし強い言い回しをしたこと、お許しください。全ては、主(あるじ)に驚きをもって喜ばれるために。なにとぞ、よろしくお願いいたします。
簡単そう、だけど。
私たち執事の館・実行委員会のお仕事は、主(あるじ)に喜ばれるためにしていて、じっさい主に喜ばれることが多くあります。また人によっては心が躍る内装と制服。そして、一般的なこの地域のサービス業と比較して、見劣りしない待遇と評されます。それを成り立たせてくださっているのは、日々ご帰宅、ご用命をくださっているお嬢様、旦那様の存在あってのことです。感謝してもしきれない環境です。
私たちのお仕えは、見方によっては簡単そうに映ります。たとえばお料理や、お菓子を盛り付ける流れ。職人さんにオファーをする流れ。教われば、習えば同じようにできます。ただし、それを真横で、半日くらいご覧になっていると怖くなってくる、と仰る方が過去に何名もいらっしゃいました。とても簡単そうだけど、使用人さんそれぞれの意思決定が速く、迷いなくしているように見えるからです。
「なぜそこで、その行動をするのか。」「なぜその判断を、いま実行できるのか。」私たち執事の館・実行委員会は、世にある組織、企業、店舗さまに敬意を払いながら、使用人という立ち位置で叶えられる、もっとも貢献度の高い「仕組み」を考えています。その基本には料理、掃除、準備などで「誰もが同じ結果を出せる手順(レシピ)」と、「迷ったら悩まず相談して身につけていく価値観」があります。(その部分を、このページの別のところで解説しています。「理念と6つの約束」をご覧ください。)
いま、「名古屋の本宅」や「名古屋の拠点」にいる使用人さんは、合流なさる前から素晴らしいお人柄でしたが、半年から数年のご経験を通じて、老若男女を問わず、めざましい変化と成長をなさいました。いま、このページをご覧になっている方が目の当たりにするのは、その過程を通ったあとの結果ですから、あまりご自身と比較して落ち込んだり、不安を覚えられないようお願いします。
蛇足ながら、それで怖くなってしまったとき「親に止められた」などと言い訳をなさいませんように。最初から分かっているはずの「たくさん出勤できるか分からない」などの理由も、立ち会いのあとにするのはお控えください。役に立てるかどうか自信がなくて、不安だ、という感想は、けっして間違っていません。お仕事というのは、つねに相手や自分が抱えている不足を知り、補うことによって成立します。それはご自身がひとりで解決する問題ではありません。
立ちすくみ、戸惑うあなたのことを、私たちは悪く申したりしません。これは絶対です。
かつて「メイド」と呼ばれた方々に。
執事の館・実行委員会は、もともと国内で認知され始めていた「メイドのいるお店」や「執事のいるお店」から着想を得て、動き始めました。顧客を「お嬢様/旦那様」とお呼びし、ご来店を「ご帰宅」と言い換え、昔のヨーロッパで使われていたような服を纏う。モチーフ(その表現をする動機である着想)は同じものを参照しておりますから、外からご覧になったときの印象は似ているでしょうし、相性が良さそうに見られると存じます。そのご認識を、私たち執事の館・実行委員会が否定することはなく、世にある「お屋敷(という名のお店)」のご盛況を祈る立場にあります。なぜなら、そこにもきっと私たちの主(あるじ)がいらっしゃるからです。
しかし私たちの求人と応募、そして検討から採用という流れにおいては、極めて慎重にさせてください。いわゆる「コンセプトカフェ(コンカフェ)」で、メイドや、それに準ずる立場でご活躍だった方が「名古屋の本宅」や「名古屋の拠点」で活躍いただけるか、というと「正直なところ簡単ではない」というのが 2024 年現在、私たちの見解です。みなさまが、それぞれが正しいことをなさっていると前置きいたしますが、いま国内で支持されている「コンセプトカフェ(コンカフェ)」の多くは、かつてのキャバレー、クラブ、ガールズバーに似た業態で、ドリンクをご馳走になり、キャストの誕生日を祝われ、そして自身の写真を添えてSNSでアピールされます。華やかで儚くて、美しい世界です。
いっぽう執事の館・実行委員会は、使用人の顔写真を出すことはございませんし、誕生日は主のお祝いをするもの、という認識です。ドリンクをご馳走になる場面はございません。「愛嬌や人柄でもって、惹き付けることによって成り立つ仕事」と「素性も素顔も伏せて、喜ばれることによって成り立つ仕事」は、おなじ「お給仕」という言葉を用いていても、役割がまったく異なります。ゆえに、かつて「メイド」と呼ばれた方々が、私たちのお仕えに興味を持ってくださっても、合流が近くなると居心地が悪そうになさったり、揚げ足をとるようになります。「コンセプトカフェ(コンカフェ)」で長くご活躍で、多くの旦那様、お坊ちゃまから愛されたひとほど、難しいと考えます。
それはつまり「コンセプトカフェ(コンカフェ)」にお勤めなって、早い段階で違和感をお覚えになった方のほうが、適性があるかもしれない、ということです。その違和感というのは、お店や業態に対する否定ではなく、「お仕え」や「お給仕」と表現されるお仕事の幅を、もっと広くしたいとお思いになったり、「家」のかたちをしたところで働いてみたいとか、ご自身の経験、教養を高めていきたいお考えなら、ご活躍をいただけるかもしれません。ただそのとき、ご自身の若さや可愛らしさなどは「内外からの主観で、認識されることはあっても、それが業績に影響して評価されることはない」ということを知っておいてください。(このページにある、お仕えのチェックシートなどに基づく成果が全てです。)
このテキストをご覧になって、ご気分を害されましたら本当に、本当に申し訳ございません。決して、すべての「メイド」と呼ばれた方々がそうだ、と言い切るつもりはございませんが、「名古屋の本宅」が実現してからの採用活動、数々の出来事を踏まえて、私たちの見解をお伝えいたします。かつて「メイド」と呼ばれた方々に、この文章に目を通された上でご応募をいただけますなら、とても嬉しく思いますし、丁寧に応じさせていただきます。私たち執事の館・実行委員会は、もちろん自らが愛され、親しまれたいと願いますが、その前に、誰かを愛して、喜ばれることをする組織です。その順序をご理解いただける方にこそ「メイド服のように見える装い」がお似合いになると思います。
追記:さまざまな事情と出来事から、執事の館・実行委員会は2024年8月より、採用活動において「過去5年のあいだ、メイド喫茶、コンカフェ、クラブ、キャバクラなどでキャストとして勤務なさった方を"使用人"として歓迎しない」という方針に改めました。(雇用機会均等法のため、この段階でお断りをすることはいたしません。)何卒、ご了承ください。
合流までの流れ
私たち執事の館・実行委員会は、お仕えを志される使用人さんにとっても、事実上の雇用主となられるお嬢様、旦那様にとっても、負担がないことを第一に考えます。どれだけテクノロジーが発達し、コミュニケーションにかかるコストが下がっても、採用の現場に「ミスマッチ」が起きる割合は、さほど変わっていないか、むしろ増えているようにさえ思う次第です。
そのため私たちは、会議室や喫茶店での面接は行わず、はじめの段階では電話でコミュニケーションを図り、双方の温度感を確かめたうえで「名古屋の本宅」の見学にお誘いします。しかし、その段階では採用の合否は定めず、さらにお給金(時給 1,500 円)をお支払いしながら、実際にお仕えをしている現場の立ち会いに繋げます。その中で、ご自身に手応えがあれば、ぜひご一緒しましょう。
「名古屋の本宅(ほんたく)」の場合
- 所在地:公表しておりません。
- 対象となる係:給仕係/介添係/家事係/清掃係/洋服係/園芸係など
- フォームからの応募…お嬢様、旦那様に驚きをもって喜ばれたいとお考えになったら、応募のフォームから執事の館・実行委員会にご連絡ください。
- お電話でのお伺い… 採用係の菊井(きくい)から、お電話を差し上げます。(原則として1回しかコールをしませんので、着信があれば折り返していただくか、ショートメールにてご都合をお聞かせください。)お電話の中で、「現在のご状況」、「お住まいのところ」、「今後、お仕えできる曜日と時間帯」、「過去のご経験」などをお伺いします。さらに、ご応募くださった方からのご質問、ご要望などを承ります。
- 「名古屋の本宅」の内覧…「名古屋の本宅」の休館日、あるいは休憩時間での見学をご提案し、この段階で所在地をお伝えします。お約束した日時に「名古屋の本宅」へお越しいただき、全ての部屋、設備をご覧いただきます。このときお仕えの基本になっている幾つかのドキュメントをご紹介します。
- ご感想のお伺い…ご自身の興味、関心、手応えなどをお伺いします。
- 「名古屋の本宅」の見学…日を改めて、じっさいにお嬢様、旦那様にお仕えしている現場(燻桃のキッチン)にて、2人の家事係がどのような振る舞いをするかをご覧いただきます。お仕事として、なにかをしていただく必要はございませんが、執事の館・実行委員会の投資、教育と位置づけ、時給をお支払いします。また、このステップを2度、3度することもございます。
- 「名古屋の本宅」の合流…ここでようやく、使用人としての新しい名前をもち、お仕えに合流します。ただお仕えの流れをすべて把握するまでは、通常2名で動く家事係のアシスタントのような立場をお薦めします。お皿洗い、アイロン、お掃除などの軽作業から、少しずつお覚えいただく流れです。
「名古屋の拠点(きょてん)」の場合
- 所在地:名古屋市中川区長良町2丁目102番地
- 対象となる係:配送係/調達係/法務係/広報係/会計係/製箱係など
- フォームからの応募…お嬢様、旦那様に驚きをもって喜ばれたいとお考えになったら、応募のフォームから執事の館・実行委員会にご連絡ください。
- お電話でのお伺い… 採用係の菊井(きくい)から、お電話を差し上げます。(原則として1回しかコールをしませんので、着信があれば折り返していただくか、ショートメールにてご都合をお聞かせください。)お電話の中で、「現在のご状況」、「お住まいのところ」、「今後、お仕えできる曜日と時間帯」、「過去のご経験」などをお伺いします。さらに、ご応募くださった方からのご質問、ご要望などを承ります。
- 「名古屋の拠点」の内覧…「名古屋の拠点」の見学をご提案します。お約束した日時に「名古屋の拠点(名古屋市中川区)」へお越しいただき、全ての空間、設備をご覧いただきます。このときお仕えの基本になっている幾つかのドキュメントをご紹介します。
- ご感想のお伺い…ご自身の興味、関心、手応えなどをお伺いします。
- 「名古屋の拠点」の合流…使用人としての新しい名前をもち、お仕えに合流します。ただお仕えの流れをすべて把握するまでは、配送係のアシスタントのような立場をお薦めします。箱の組み立て、シールの貼り付けなどの軽作業から、スプレッドシートによるお品の管理、職人さんとのコミュニケーションなど、少しずつお覚えいただく流れです。
いわゆるシフトの組みかた。
- 毎月15日ごろ…翌月の15日から、翌々月の15日まで、4週間のお仕え可能日時をお伺いします。
- 毎月30日ごろ…翌月の15日から、翌々月の15日まで、4週間のお仕え予定を確定いたします。
2024年5月時点の執事の館・実行委員会は、毎月15日頃に、使用人の皆さんへ Google Forms で構築したアンケートをお送りしています。これは、日々の1枠目から4枠目のチェックボックス並んだインターフェイスで、ご自身が「名古屋の本宅」でお仕事をできるところにチェックをすると、給仕係が日ごとのチームを検討する流れです。もし副業としてのお勤めをお考えの場合には、このタイミングを参照しながら、ご応募いただけますと幸いです。
「名古屋の本宅」の1日。
1日に4枠がある「名古屋の本宅」は、基本的に全ての使用人が同じタイムテーブルで行動します。「給仕係」はおおむね【赤の広間】に立ち、「介添係」と「家事係」は【燻桃のキッチン】が持ち場です。食材や資材を揃えるとき、あるいはアイロンなどをするときは、1階の【白灰の支度室】を往復することもあります。
時間 | 振る舞い |
---|---|
9時30分 | 【出勤】「名古屋の本宅」にお邪魔して、お荷物や上着をロッカールームに置き、必要に応じて着替えます。 |
9時35分 | 【お支度】その日の「チェックシート」をもとに、館内の支度、キッチンの準備に取りかかります。 |
10時00分 | 【お仕え】1枠目の主(あるじ)、ご帰宅を迎えて、お仕えを行います。 |
12時00分 | 【お支度】1枠目の主(あるじ)、お出掛けを見送り、片付けと支度に取りかかります。このとき、チェックシートに並んだ項目に「✓」を付けていきます。 |
12時15分 | 【お仕え】2枠目の主(あるじ)、ご帰宅を迎えて、お仕えを行います。 |
14時15分 | 【お支度】2枠目の主(あるじ)、お出掛けを見送り、片付けと支度に取りかかります。15分が経過したところで、中断します。 |
14時30分 | 【休憩】ここから1時間の休憩をとります。使用人さんが過ごす場所は自由ですが、主(あるじ)のための椅子やテーブルは使用しない決まりです。制服のまま、外出をなさっても差し支えません。冷蔵庫、電子レンジなどは1階の執務室にあるものをお使いください。(前半のお仕えで終わる使用人さんは、ここで退勤されます。) |
15時30分 | 【お支度】休憩から戻り、「チェックシート」をもとに館内の支度、キッチンの準備に取りかかります。(後半からお仕えなさる使用人さんは、ここから出勤されます。) |
15時45分 | 【お仕え】3枠目の主(あるじ)、ご帰宅を迎えて、お仕えを行います。 |
17時45分 | 【お支度】3枠目の主(あるじ)、お出掛けを見送り、片付けと支度に取りかかります。 |
18時00分 | 【お仕え】4枠目の主(あるじ)、ご帰宅を迎えて、お仕えを行います。 |
20時00分 | 【片付け】4枠目の主(あるじ)、お出掛けを見送り、片付けに取りかかります。(残業があるときは、おおむね30分ほどです。) |
20時25分 | 【着替え】ご自身の服装、持ち物に戻して、お仕えの終了を執事の館・実行委員会に報告します。 |
20時30分 | 【退勤】「名古屋の本宅」の館内を消灯し、かならず施錠して退勤します。 |
主(あるじ)のお人柄。
執事の館・実行委員会は、お嬢様、旦那様にお仕えをする、という関係性ゆえに、提供するものの価値が高く見られる傾向があります。事実、むかし沢山の使用人さんがいらっしゃったヨーロッパなどでは、身分の高いお方のために、お手伝いさんとしてお勤めでしたから、そこにある程度の緊張感があったことは想像に難くありません。決して豪華ではないけれど、本当の「家」でもてなす。作り手に敬意を払いながら、少量かつ、質の良いものをお譲りいただく。その試算は、おおむね高くなります。「名古屋の本宅」も、「お申し付けの品」も、妥当ですが安価ではありません。それが、使用人さんが、いつかお仕えする主(あるじ)を想像なさるにあたって誤解されやすい部分です。
- 主(あるじ)の9割以上が女性でいらっしゃいます。
- 年齢層は、10年前のTwitterの層と重なりまして、30代、40代、50代がわりと多く見えます。
- 外見や振る舞いからご年齢を推測できない主(あるじ)が多くいらっしゃいます。
- 男性ひとり、ふたりのご帰宅も月に数回、ございます。穏やかで紳士的な方がほとんどです
- 失礼ながら、主(あるじ)の多くは、街ですれ違う限りは、とくべつ派手な印象はないと存じます。
- いわゆるハイブランドで身を固めた主(あるじ)は、いらっしゃいません。もしお使いでも、自然すぎて気付かれません。
- お着物を楽しまれる主(あるじ)もいらっしゃいます。季節にもよりますが、月にひとり、ふたりほどです。
- ロリィタ・ファッションを楽しまれる主(あるじ)もいらっしゃいます。夏も冬も気合いでご帰宅なさいます。
- 概して、主(あるじ)はお優しい方ばかりです。ひとの粗を探すことより、ご自身が受け取られた驚きと喜びを大事になさいます。
- ご帰宅なさって、玄関に入られた時から嬉しそうになさいます。初めから最後まで、お仕えされる側もする側にも幸せが続きます。
私たち執事の館・実行委員会は、主(あるじ)のお人柄の良さに救われ、支えられて続けてまいりました。大らかでお優しい主の存在あって、やっと「名古屋の本宅」ができたのです。その経緯と事実に対して、最大限の敬意を払い、感謝を絶やさずにすることが使用人としてあるべき姿だと考えます。長々と綴っておりますが、簡単に申し上げますと「怖い人はいない」ということです。意地悪が過ぎたり、重箱の隅をつついて厳しくするような主(あるじ)はいらっしゃいませんし、もしお目にかかるようなことがあれば、執事の館・実行委員会が反応します。その詳細は、別の項目で述べさせていただきます。
規約は飾りでなく。
ここだけの話にしていただきたいのですが、私たち執事の館・実行委員会は「主と使用人」という関係性に疑いをもったとき、とつぜんお仕えを止めることがあります。その目安となるのが「規約」という文章です。この「規約」は飾りではなく、法務係の千種(ちぐさ)が監修している、きわめて重要なドキュメントのひとつです。私たち執事の館・実行委員会、使用人一同は、常に完璧で、正しいとは申しません。むしろ常に課題と問題を抱えて、日々トライアルとエラーを繰り返す、未熟な組織です。そのような立場で強気なことをするには、正直なところ躊躇いがあります。しかし、完璧でなければ愛されないとか、正しくなければ申せない、というのは違うと思います。
私たちは、主(あるじ)に選ばれる立場にあると同時に、主を選ぶ立場でもあります。いま日本国内の飲食、宿泊、販売、交通、娯楽などのサービス業は、すべてのお客様を受け入れる前提で運営されていて、そのとき現場で生じるストレスの多くは現場にいらっしゃる従業員さんに掛かっています。それを我慢して飲み込むことが、仕事なのだという考え方は、誰も幸せにしないと考えております。生意気なことを申し上げます。好きな仕事でも、辛ければ離れる、私たち使用人も同じです。
名古屋の本宅
- 前の主がいらっしゃるのに「名古屋の本宅」の敷地に入られる主。
- 昔の使用人、品目など、現在の使用人が知らないことを並べ悦に浸る主。
- 使用人の年齢、外見をねたに、茶化したり冷やかしたりなさる主。
- 事前にご申告のない「お苦手な食材」を、運ばれるたび突き返される主。
- 「きょうの満足度は60%だから、支払いは6割でいい?」などと仰る主。
- 使用人が客観的に見て「清潔」とは言い表すことができない主。
- 使用人が促していないドアを、断りなく開いて中を覗く主。
- どれだけ促してもお出掛けの時間を引き延ばそうとする主。
お申し付けの品
- 袋にクッキーの粉が落ちているから替えて、と何度も要求なさる主。
- 職人の工房や、店舗に足を運び「執事の館」の話題を出される主。
- つよく要望(おねだり)しながら、ご用命をなさらない主。
その他の事情
- 使用人にも、他にも聞こえるところで不満をこぼされる主。
- 「名古屋の本宅」の所在地ほか、使用人の素性などに言及したがる主。
このような主に、私たち使用人はお仕えをしたいと思いません。お嬢様、旦那様は私たちの雇用主でいらっしゃいますから、もし万が一、いやな思いをする勤め先だったなら、退職をして、さらに転職をするのが自然な流れです。ですから私たちは「名古屋の本宅」や「お申し付けの品」などのお仕えを止めます。それは、私たちの尊厳を守るために必要な行為です。
使用人一同は、主を見送ったあと必ず「私は、この主にふたたびお仕えしたいか」そして、「ほかの使用人にも、この主にお仕えしてもらいたいか」という観点で、執事の館・実行委員会に報告をします。そこで問題があれば、法務係、調達係などの係がヒアリングして、行動を起こします。かつての身分制度があった頃では、あり得ないことを申しますことをお許しください。何卒、よろしくお願いいたします。
また別の名前で
すでにお気付きかもしれませんが、私たち執事の館・実行委員会は、初めからすべての使用人が本名を名乗らないようにしています。それは、本来の社名や肩書きが、お仕えにあたって妨げになる可能性や、ある種の謎めいた感じが大切な場面もあるからです。また、年齢や性別、立場によって個人の氏名を公開することのリスクもございます。お嬢様、旦那様の邪魔をせず、かつ自らを守る選択肢として、私たちは「べつの名前」を名乗っています。
この名前の選び方には、ある約束があって、愛知県、岐阜県、三重県の「地名」あるいは「駅名」、「公園」、「学校」などランドマークの名称をお借りします。もともと東海地方にゆかりのある方なら、むかし育った街を思い出したり、親戚やお友達がいらっしゃった場所も良いと思いますし、通われていた学校、勤め先などでも結構です。その名前を選んだ経緯こそが、主(あるじ)と共有できるストーリーとなっています。(古い話題で恐れ入りますが、かつてNHKの名古屋放送局様で作られていた「中学生日記」の登場人物の名付け方を参照しております。)
ご自身が名乗られる綴りを、ご検討、ご応募の段階で決める必要はございません。内覧をなさって、見学をなさって、それから合流の段階で固まればよいので、ゆっくり検討をいただければ幸いです。これまでの長い間、執事の館・実行委員会にいらっしゃった使用人さん、職人さんのお名前を並べました。この中に、希望の綴りと重ならなければ、おおむね、そのまま採用しております。(あまりに華美だったり、難読であった場合は再検討としています。)
使用人の名前
グーグルのスプレッドシートで一覧にいたしました。必要に応じて、並べ替え、検索、保存などしていただければ幸いです。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1BxqoK7TWxxKDYPirJk4aBfPb7eREhGwGjXmhyp6131I/edit?usp=sharing
「本宅」のドキュメント
執事の館・実行委員会がお嬢様、旦那様に提供するのは「驚きをもって喜ばれること」です。しかし、これを使用人さんそれぞれの資質や才能に依存すると、ご帰宅のたびに品質が変わってしまいます。また教育にかかるコストも、惜しむことはいたしませんが、より成果をもたらす方法にしたい考えです。「名古屋の本宅」は、お仕えに関わる使用人さんの技量を引き出し、迷いなく、ミスなくお仕えするため、効率化されたドキュメントを作成しています。その多くは、オンラインで編集、閲覧できる Google 社のスプレッドシート(Excel のようなもの)、そしてドキュメント(Word のようなもの)です。使用人さんは館内の iPad 、Macbook Air から閲覧、印刷して運用いたします。
したがって「名古屋の本宅」では、熱心にお仕えの内容を覚えることが推奨されていません。じっさいにご帰宅をなさったお嬢様、旦那様からは驚かれるかもしれませんが、あの2時間のあいだに起きる出来事、提供される品目の多くは、早いもので半年以上前から、遅くとも前日までに準備がされております。必要なものは、記録をして残すようにして、ひとの能力、資質に頼らない仕組みを目指しています。
つまり日々のタスク、提供されるレシピは、ドキュメントで定義されていて、お仕えをするたび、あるいは定期的な読み直しによって再習得すればよいという考えです。もちろん、つど直面する問題などは、出勤のたびに把握せねばなりませんが、それを使用人さんの休業日に、LINE や Messenger などで呼びかけることはいたしません。そのためにドキュメントの整備をして、運用しております。問題が起こるのは、必ずドキュメントの範囲外で、その責任は使用人さん各位ではなく、執事の館・実行委員会に帰結します。そして必ず解決します。
事実として、このドキュメントはお仕えのなかでとても役に立ちます。覚える、思い出す、考えるという工程を減らし、その時間を創造的に活用できます。いっぽうで、同じ条件下において、使用人さんごとにタスクを完了できる、できないという指標になるのも事実です。執事の館・実行委員会は、あくまで常識的な範囲、時間内にお仕えが成り立つならよいと考えますが、幾つか存在するスプレッドシート、ドキュメントが重圧として受け止められる場合は、見学の前にお申し出をいただきますようお願いします。
お仕え日時のアンケート
お嬢様、旦那様の「名古屋の本宅」で、使用人の皆さんがお勤めになれる日程と時間帯は、LINE や Messenger ではなく、Google のフォームを利用しています。ここに、あらかじめ定義された「枠」の単位でお勤めになれるかをお伝えいただければ、この次のスケジュール表に並べて、いわゆるシフトの構成に取りかかります。あくまで見本として置いておりますが、実際には木曜日におこなっている準備のことや、その他の相談も受け付けている次第です。
6月後半からのお仕えです。
使用人各位、いつも「名古屋の本宅」にお力添えくださいまして、ありがとうございます。6月後半から7月前半にお手伝いいただける日程を、お伺いします。(ご学業、ご本業の都合が見えない場合は、その旨をお知らせいただき、保留していただけたら幸いです。あとからの申告も歓迎します。)
▼下記、補足としてお伝えいたします。
- 1枠は 10:00 、2枠は 12:15 、3枠は 15:45 、4枠は 18:00 に始まり、それぞれ2時間です。前後の準備と片付けの時間は【30分】を目安にします。
- 早く入るとき、遅く出るときは、グループでその日の責任者(代理のかた)に承認を得てください。
- 「日々の変更点」というシートをご活用ください。読まれましたら、ご自身の列にチェックをお願いします。
▼お仕えできる枠をお伺いします。
日付 | 1枠 | 2枠 | 3枠 | 4枠 |
---|---|---|---|---|
6/21 金 | □ | □ | ■ | ■ |
6/22 土 | ■ | ■ | □ | □ |
6/23 日 | ■ | ■ | ■ | ■ |
: |
本宅のスケジュール表
いわゆるシフト表のようなもので、使用人さんが「名古屋の本宅」にお邪魔する日付と枠を横方向にスクロールするものです。使用人の皆さんはこれをブックマークしたり、スクリーンショットをしてお使いになっています。このドキュメントは、お屋敷の使用人だけでなく、名古屋の拠点の配送係も参照していて「お申し付けの品」の準備や、発送のお手伝いをご相談することもあります。(この表は、スマートフォンでご覧になるとき、横方向にスクロールできます。)
5 16 木 A |
- - - B |
- 17 金 1 |
- - - 2 |
- - - 3 |
- - - 4 |
- 18 土 1 |
- - - 2 |
- - - 3 |
- - - 4 |
- 19 日 1 |
- - - 2 |
- - - 3 |
- - - 4 |
- 20 月 1 |
- - - 2 |
- - - 3 |
- - - 4 |
… … … … |
||
給仕係 | 八帖 | □ | □ | □ | □ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | □ | □ | □ | □ | … |
給仕係 | 菊井 | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | □ | □ | □ | □ | □ | □ | □ | □ | ■ | ■ | ■ | ■ | … |
家事係 | 姫宮 | □ | □ | □ | □ | □ | □ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | □ | □ | ■ | ■ | … |
介添係 | 矢田 | □ | □ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | □ | □ | □ | □ | □ | □ | ■ | ■ | □ | □ | … |
洋服係 | 白鳥 | □ | □ | □ | □ | □ | □ | □ | □ | □ | □ | □ | □ | ■ | ■ | ■ | ■ | □ | □ | … |
: | : | |||||||||||||||||||
ご予告 | 公開 | □ | □ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | … |
お仕え | 確定 | □ | □ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | … |
本宅の変更点
私たち執事の館・実行委員会のお仕えは、業務時間外の連絡、問い合わせを極めて少なくしています。そのため、連絡網と呼ばれる仕組みは存在しますが、そのほとんどは使用人さんがお仕えの時間中にしか動かない仕組みです。「名古屋の本宅」では、いわゆる申し送りの動きを Google のスプレッドシートに記載して、お仕えをする日の朝に確かめるという習慣にしています。このドキュメントへの書き込みは誰もができて、かつ読了の印をつける約束です。
日付 | 記入 | 伝えたい事柄 | 八 帖 |
菊 井 |
矢 田 |
天 満 |
… |
---|---|---|---|---|---|---|---|
-/-(N) | (新しく共有したい事柄があったとき、上に追記します。) | ||||||
5/9(木) | 作田 | 5/11にご帰宅なさる主のため、園芸係の大草さんが「*******」を調達しました。いま白灰の支度室にございます。ラッピングペーパーが5/10に届く予定。当日お仕えの方はお手数ですが、お包みをお願いいたします。 | □ | ■ | □ | □ | … |
5/9(木) | 菊井 | 1階のレーバープリンターは、九之坪さんがトナーを交換して復帰しました。予備のトナーも調達しましたので、チェックシートに反映します。 | ■ | ■ | □ | □ | … |
5/7(火) | 天満 | スライサー付きの容器で****のカットを試しましたが、うまくいきませんでした。******のカットにのみお使いください。 | ■ | ■ | □ | ■ | … |
5/6(月) | 天満 | 【*****について】お仕えの流れを変えたことで、やや出番が減りました。今後は、半量ずつ使用致します。(*********は1.5本となります。) | ■ | ■ | □ | ■ | … |
5/6(月) | 菊井 | INSTAX(カメラ)の写真を消す手続きでは「プリント履歴」が消去できていなかったことが判明しました。操作の手順を変更して「フォーマット」という項目で、両方を消します。 | ■ | ■ | ■ | ■ | … |
5/4(土) | 鞍馬 | パイン、桃、りんごのカラメリゼが「燻桃のキッチン」の小さい冷蔵庫にございます。 | ■ | ■ | ■ | ■ | … |
5/3(金) | 天満 | 洗濯機は、毎回フィルター2枚の埃取りをお願いします。 | ■ | ■ | ■ | ■ | … |
: | : | : | : | : | : | : |
本宅の給仕品目
「名古屋の本宅」には、ダイニングも、ドレッサーも、クローゼットも書斎もございます。お屋敷でできる、全ての事柄を叶えるのが執事の館・実行委員会ですが、やはり主(あるじ)は使用人や職人さんの「美味しいもの」に期待を寄せられていて、それにお応えするのも私たちの務めです。かつて「名古屋の仮住まい」では、2台のワゴンに30〜40種類のお料理、お菓子を並べてお選びいただきましたが、現在は広報係や調達係が綴った「流れ」があります。そこにご用意する「品目」を並べたものが、このリストです。お皿とお品、簡潔なポイントを記載していて、キッチンの中で先の工程を先読み、余裕をもってお仕えをするためのチェック表です。
お皿 | お品 | 1 枠 |
2 枠 |
3 枠 |
4 枠 |
盛り付け |
---|---|---|---|---|---|---|
金色のトレイ | おしぼり | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | 羽根のトレイ、膨らみは外側に。利き手に対し内側の巻きになるよう、置きます。 |
レイエスのグラス | 水出しの紅茶 | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | 水出しの*****を冷蔵庫から出します。(グラスの75%くらいのところまで注いで) |
ガラスのドーム | ******と** | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ******を砕いて、ショットグラスの一番上まで |
******* | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | 2枚を重ねて。過去お召し上がりになった主は別のお品も検討。****、****がお苦手でないか注意しましょう。 | |
サブライムの大皿(灰色) | **** | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ****(尖った先端は、左側に向けます)+**の実(ひとつ上に載せます。) |
***の***** | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ***+*********(厚みは5ミリ)、上に***が来るように。仕上げに***、*******を振って、*******を少し。 | |
: | : | : | : | : | : | : |
主のカルテ(仮)
お嬢様、旦那様からお預かりしている「主の手帳」や「仮の手帳」は、お仕えに欠かすことのできない大切な情報です。ここに記されたご要望、ご状況、お人柄を参考にして、私たち使用人一同は最適なお仕えをいたします。たとえば左利きは、強調して表示したり、お誕生日の場合には通知が出るなど、見落とし、漏れがないよう作られています。このドキュメントは、お仕えのたびに手作業で作らず、「館の台帳」と呼ばれる仕組み(システム)がほぼ自動で生成しております。ご興味あれば、内覧の折にお尋ねくださいませ。
本宅のチェックシート
(準備しております。もう少しだけお時間をください。)
本宅の在庫管理リスト
(準備しております。もう少しだけお時間をください。)
本宅のお仕えの流れ
(準備しております。もう少しだけお時間をください。)
本宅の言葉遣い
執事の館・実行委員会は、全ての使用人が、全ての使用人と会話するときに「敬語」を用いる約束です。それは、言語表現を豊かにしている者が、これから伸びていく者に継承する機会ともなりますし、ときに性別や年齢によって、向き合い方が変わってしまうことを防ぎます。ただ、細かな言い回しの「引き出し」を自分で埋めていくことは困難ですから、介添係、広報係、調達係などが言葉遣いのリファレンスを作成しております。
【第1章】言い換えの例
よくある言い回し | 使いたい言い回し |
お嬢様が食べる。 | お嬢様が召し上がる。 |
お坊ちゃまが来る。 | お坊ちゃまがお戻りになる。 |
紅茶の方をお持ちしました。 | 紅茶をお持ちしました。 |
: | : |
ぜんぜん大丈夫です。 | まったく差し支えません。 |
ルブタンがあります。 | ルブタンがございます。 |
クッキーになります。 | クッキーでございます。 |
【第2章】褒める、称える言い回し。
- マナー、所作を称える表現。
- 丁寧な労いをいただいたとき。
- かしこさ、聡明さ、そして知性。
- 美食、食文化。
- かわいさ、あるいはご愛敬。
- ひとの良さ。
- ご表情、お顔の印象。
- ご健康、ご長寿のこと。
- 装い。服装、メイク、髪型、お爪。
【第3章】「おいしい」の表し方。
- 広報係による120の表現。
【第4章】お食事を勧める10の方法。
- 給仕係の手帳より。
【第5章】とくべつにご用意するお品。
- 給仕係の手帳より。
私たちの理念
驚きをもって喜ばれること
私たちはお嬢様、旦那様に、何らかのお仕え(サービス)を提供し、対価としてのお給金を頂戴する存在です。世の中には、「時間」や「商品」に対価が生じるという考えが浸透していて、それを否定することはございませんが、本当はお仕えを通じて叶えられる「感情の変化」にこそ価値があると考えています。
驚かれるかどうか、喜ばれるかどうか。かつてはこれらを、使用人さん各位の主観に委ねていました。しかし、これには沢山の落とし穴があって、結果的に効率を損なってしまったり、評価を下げてしまうこともあり、大いに反省しております。現在の執事の館・実行委員会は、組織的に「驚きをもって喜ばれること」を実行しております。
私たちの約束
執事の館・実行委員会は、主(あるじ)のために存在する使用人、職人の組織です。「驚きをもって喜ばれること」という理念、さまざまなアイデア、テクノロジー、ストーリーを組み合わせますが、それを形成する組織、ルールはなるべくシンプルにしています。ただそれが、ひとによっては冷たく、厳しく見えるかもしれません。私たちお仕えなさる使用人さんのストレスを緩和し、よりよいお仕えを実現するため試行錯誤を続けています。
- それぞれの係には、かならず「係長」という上司がひとり設けられています。「副係長」などはおりません。
- 使用人さんのことを評価するのは、直属の「係長」だけで、それ以外の係の「係長」は関わりません。
- その「係長」の上にいるひとは「係長」を評価し、指示するのが仕事ですから、使用人さんの評価に関わりません。
- 個別の面談はおこなっていません。必要に応じて、ご本人か「係長」から呼びかけます。
- 「名古屋の本宅」ならびに「名古屋の拠点」では、お土産、差し入れなどをしません。
- もっとも優先すべき事柄は、次にご紹介する「6つのルール」です。(優先順位は【6つのルール】>【係のルール】>【通常のお仕え】です。)
【1】報告の義務
使用人さんがすべきことは、お給仕を「失敗をしないこと」ではなく「失敗をすぐ報告すること」です。「6つルール」もしくは「係のルール」から外れたときや、「指示」の通りにできなかったとき、30 分以内に報告をしてください。このルールに基づいて報告されれば、使用人さんが叱られること、嫌われることはありません。おおむね、そのエピソードをもとにお仕えの手順が書き換えられて、より良い流れになる契機です。ただし、この報告は、上司が組織としての責任を果たすにあたって必要、と判断された場合にのみ反応されます。
【2】尊敬と感謝
執事の館・実行委員会のコミュニケーションは、「尊敬」と「感謝」を基本とします。主(あるじ)や目上の立場のひとに対して向き合うときに、できる限りの敬意を払うことは当然ですが、ここでは同僚や部下とのコミュニケーションも敬語で会話をします。(これは、より良い表現を身につけ、自然に使いこなすためでもあり、かつハラスメントを未然に防ぐねらいがあります。)これは、お取引をさせていただく業者さん、職人さんに対しても同様です。敬意のない表現や、要望などなさった場合、評価を下げられることがあります。
【3】評価の禁止
お仕えの出来栄えを評価するのは、直属の「係長」のみで、自己満足や主(あるじ)のお言葉を基準にしてはいけません。それから、「係長」ならびに「同僚」を評価、批評することもお控えください。もし「係長」の存在や振る舞いが、お仕えに支障をきたす場合は「報告の義務」に基づきご報告いただきます。このときだけ「係長」を飛ばして行動することが認められています。「評価の禁止」は、お仕えする使用人さんどうしの関係性を安定させるためにあり、各位に賛同を求める目的ではないことを付け加えます。
【4】着手の宣言
お仕えのなかで、新しい事柄に取り掛かるときは、直属の「係長」に知らせましょう。すでに誰かが取り組んでいることと、役割が重複しないようにしています。このとき、「係長」からの反応が無くても、取りかかって大丈夫です。また決済において 3,000 円以下の購買は、承認なく実行し、事後報告で良いとしています。「着手の宣言」は会計係のほか、調達係や広報係への情報共有を兼ねていて、最終的にお嬢様、旦那様へのご報告を円滑にします。ただし、事前の宣言なく行われた事柄は、お仕えの成果として認められないことがあります。
【5】私語の禁止
お仕えの最中、お嬢様、旦那様に関係しない事柄を話題にしないよう努めています。近年、使用人さんのプライベートに立ち入ることは「パワーハラスメント」に該当することもあって、慎重にせねばなりません。もっとも私語を禁じるのは、使用人さん各位の思考にノイズを入れず、お仕えの品質を高めることがねらいです。笑い声があっても良いですし、仲良くしたいと思いますが、私たちがお仕えをしているのは、お嬢様、旦那様のためであることを忘れないようにしてください。
【6】役割と期限
執事の館・実行委員会は、「客観的な指標」を大事にします。難しく見えますが、日付や数量、重さといった数字は、誰が見ても共通となる基準です。ふだん使用人さんが指示を受けるにあたっては、「期待される成果」と「期限」を確かめてください。これを確かにしない場合、だいたいタスクが流れてしまいますが、その責任は直属の「係長」になります。いっぽう「期待される成果」と「期限」に応じず放置なさった場合の責任は「指示をうけた者」にあります。(もし成果が達成できないと分かった場合は、躊躇わず「報告の義務」に基づいてお知らせください。そうする限り、評価は下がりません。)
補足したい事柄
いまいちど「評価」についてお伝えしますと、使用人さんを評価するのは「主(あるじ)」でも「ほかの使用人」でもなく、あくまで「執事の館・実行委員会」、つまり直属の上司だけが、各位を評価する存在であるということです。極端な表現ですが、「主(あるじ)にどう思われるか」という懸念の優先度は低くしたほうが、結果として上手くできることが多いと考えております。
「主(あるじ)」からの評価は「執事の館・実行委員会」になされます。もとより私たちは、SNSなどから直接お嬢様、旦那様のお声に耳を傾けていますが、ここに錯覚をしてはなりません。もし「主(あるじ)」が私たちの振る舞いを認めてくださるとしたら、ご予告や、ご用命を起点にして、最終的にお支払いをいただけたときです。
その他、よくお尋ねをいただく事柄。[Q&A]
▼雇用の条件について。
Q.アルバイトの場合、週1日でも良いですか?
A.お仕えを望まれる方の都合は、なるべく尊重したいと考えております。ですから、週に1日でも、2日でも、関わっていただけるように環境を整備しています。ただ事実として、経験の度合いに差がついてしまうところは、ご了承ください。そのとき疎外するような行為はないように、組織しております。
Q.扶養の範囲内でも大丈夫ですか?
A.ご家族の扶養の範囲で、お仕えをしたいと申していた使用人が、過去にも現在にも、何名もおります。年あたり、月あたり、どれくらいの時間数、あるいは額面に留めたいか、会計係にご申告ください。
Q.「名古屋の本宅」の場所はどこですか…。
A.たいへん申し訳ございませんが「名古屋の本宅」がある場所は、私たちがお仕えしている主(あるじ)であってもお伝えできません。しかし、それではご応募いただく方に不便ですので、流れの中で見学にご案内しております。まずはご応募の上で、採用係とのコミュニケーションにご協力ください。
Q.お給料の締め日と、支払日を教えてください。
A.はい。執事の館・実行委員会は、毎月月末にお仕えの履歴をまとめて、会計係がお給金の計算を始めます。お支払いの日は、翌月の末日でお約束をしていますが、方針として「計算ができ次第、最短の日程で振り込みの予約をすること」となっています。
Q.交通費は出ますよね…?
A.交通費として、上限 8,000 円を支給しています。すこし離れたところにお住まいの場合は、お仕えの日数によって上限に当たらないかお確かめください。これは、名古屋市内に在住なさっている使用人さんの家賃負担を考慮したもので「交通費は出るのに、家賃補助はない」と言う矛盾に向き合っているためです。
Q.有給休暇はありますか。
A.ございます。正社員としてのお仕えも、パート、アルバイトとしてのお仕えも、国が定めた基準の通りに権利を行使していただきます。ただ、主(あるじ)にとって大事な催しや、欠かせないお仕えのときには、時季の調整をしていただく可能性がございます。あと、合流から半年の間は、「有給休暇の前借り」という制度があります。採用係にお尋ねください。
Q.賞与はいただけますか。
A.これについては、回答を保留させてください。過去、何期かに賞与を支給した実績はございますが、かならず未来にも同じことができるとはお約束できかねます。ただ現時点(「名古屋の本宅」を開いて1年ほどのタイミング)でみる限り、かつての「名古屋の仮住まい」の頃より安定しているのは事実かと存じます。
Q.在宅でのお仕えは可能ですか?
A.いわゆるお給仕に関係いたします「給仕係」「介添係」「家事係」は不可能ですが、「会計係」は実際のところ、ほぼ在宅でのお仕えを実現しています。ただ、会計係におります宮内(みやうち)は、使用人らと会って話した方がすすむ、と言ってたびたび「名古屋の本宅」や「名古屋の拠点」に現れているようです。
Q.車(自動車)での通勤は可能ですか?
A.はい。可能です。ただし執事の館・実行委員会が持っている6つの契約のうち、調整が必要な部分がございますので、合流してしばらくはご不便をお掛けするかもしれません。また、ハイエースよりも幅の大きな車両は、周辺の道路でヒヤッとなさるかもしれません。
Q.自転車での通勤は可能ですか?
A.これも可能です。お仕えの最中は、「名古屋の本宅」から少し離れたところに自転車を停めていただけます。
Q.制服は支給されますか?
A.お仕えをなさる係や、場所によって異なりますが、制服を支給することがあります。たとえばスーツを所有していない、という場合には、委員会が支援することもあります。
Q.ダブルワークは可能ですか?
A.まったく差し支えません。歓迎いたします。
▼求める人物像など。
Q.飲食業の経験は、評価されますか?
A.事実「名古屋の本宅」のお仕えは、この世にございます飲食業と通じる部分がございます。ですから、過去に飲食業で経験なさったことや、身につけられた作法などは、決して無駄にはなりません。ただ、ご自宅ゆえに「メニューがない」という部分や、主(あるじ)のお人柄、過去の履歴からご提案をする、という流れは、おそらくこの世のどの飲食業にもない特徴です。ここを楽しんでいただけると良いかと存じます。
Q.まわりから、執事っぽいって言われるんです。
A.執事のようだ、メイドのような、という評価は、決して悪くないと思いますし、きっと素敵なお人柄、振る舞いをなさっているのだろうと想像いたします。ただ、執事の館・実行委員会はその「執事っぽい」という印象が、なにを参照されているのかに興味がございます。なぜかというと、私たち使用人一同が、いわゆる世の「執事」のイメージとかけ離れているからです。アニメや小説、映画やコミックなどの文化に登場します執事、メイドのイメージは素敵ですが、ほんとうに主の役に立とうと努めていると、その対外的な印象は、あまり拘らなくてもよいと思うようになります。(ぜひ一度、お目に掛かりましょう。意外とふつうの人たちなので、拍子抜けなさるかもしれません。)
Q.コンカフェで働いてたんですが、どうですか?
A.いま「コンカフェ」と呼ばれる業態も、本当に沢山ございまして、沢山あるからこそ「コンカフェ」という呼び名が浸透しているのかもしれません。さて、執事の館・実行委員会へのご応募をいただくときには、その「コンカフェ」でのご自身の立ち位置が重要です。ご気分を害されるかもしれませんが、若さや可愛らしさで惹きつけて、お客様が熱心にしてくださるタイプの「コンカフェ」に慣れた方は、「名古屋の本宅」に向きません。私たちは、主の誕生日を祝う側の人間であり、自分たちの誕生日を祝ってもらう側の人間ではないからです。
Q.いまお仕えしている使用人さんたちの前職は?
A.じつは、いま(2024年3月時点)の「名古屋の本宅」にお仕えしている使用人の、過去の職業には、ある傾向がございます。ただそれは、本人たちがお嬢様、旦那様に伝えてもよい、伝えたい、という意思を持ったときに初めて話題にさせてください。はがゆい表現となってしまいますが、ある職業にいたひとが多い、ということです。
Q.過去にご帰宅をしたことあるんですけど、よいですか…?
A.よくあるご質問ですが、執事の館・実行委員会は、かつて主(あるじ)だったひとも歓迎しています。また、使用人になったからといって、ご帰宅やお申し付けを制限したことはございませんし、この先も同様です。余談ではございますが、いま思い出せる限りで「名古屋の仮住まい」に帰宅したことがある、と申していた使用人が、3名ほどいたように記憶しております。
▼その他のご質問。
Q.性格診断のテストや、心理テストのようなことはしますか?
A.執事の館・実行委員会は、応募者の人柄や力量を知るにあたって、いわゆるテストは行っておりません。業種や業態によっては、これが生きる場面もあろうかと存じますが、お仕えは実際の働きと、主(あるじ)からの評価が全てだと考えます。従って、事前のテストは無く、あくまで見学の延長線上にお仕えがあるとお考えくださいませ。
Q.名前って自分で決めるんですか?
A.執事の館・実行委員会に関わる者は、みな、ゆかりのある地名から名前を決めます。これはお仕えに合流することが決まった頃に、採用係や給仕係などから、ご自身が名乗ってみたい東海地方の地名を3つほど考えるように促されまして、わりと古くからいる使用人が重複を確かめます。また響きや、字の印象なども助言しますが、基本的にはご自身のしたい綴りになるとお考えください。