第1368号:第1367号:配送係、解散いたします。
このお便りは、41482 名のお嬢様、旦那様に宛ててお送りいたしました。
お嬢様、旦那様、今夜は私たち執事の館・実行委員会から、きわめて重要なご報告と、ご提案をいたします。
2026年7月をもって配送係を解散し「お申し付けの品」は完結、これまで職人らが手がけた、ほぼ全ての
お品を廃番とさせてください。これに至った経緯と、それからの見通しについて、ご説明を差し上げます。
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今から13年前、当時の Twitter で反響をいただいたことに感謝したくて取り組んだ「バラ」の試みには、
2,200 を超えるご用命を賜りました。このとき花にも箱にも輸送にもコストが掛かることに躊躇っていた
私たちに「届けさせるのだからお給金を払わせなさい」と仰られたのが「お申し付けの品」の始まりです。
そこから焼き菓子、燻製のお品、紅茶や化粧品、アクセサリなど、主(あるじ)が求められたものを都度、
探し求め、ご縁を繋ぎ、月に1度の「お申し付けの品」としてご用命を賜りますのが、定番となりました。
お給仕が安定しなかった 2014〜2022 年頃は、お申し付けで支えられていたとしても過言ではありません。
お嬢様、旦那様のお力添えあって叶った「名古屋の仮住まい」、そして「名古屋の本宅」。これと並行して、
名古屋市のご別宅や、どなたかへの贈答品としてお納めする「お申し付けの品」にも意義がございました。
お店ではなくお家であり、本宅だけでなくご別宅にも。お菓子も料理も飾りもぜんぶ、私たちの務めです。
あのとき松原がバラを申しつけられた 2,200 名全てに、拙い字で感謝を綴っていた際、誰かに求められ、
必要とされる嬉しさを噛み締めました。そこから喫茶だけでなく、暮らし全て、衣食住のほか知恵や教訓、
経済や哲学などでも関わらせていただけるようになったこと、使用人一同、心からの感謝をしております。
ありがとうございます、という言葉は、あまりに軽すぎて喉につかえます。でもそれしか見つかりません…
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ところでお嬢様、旦那様。執事の館・実行委員会には沢山の使用人、職人が「係」を担っておりますけれど、
その中で最も難しいのは、どのお役目だと思われますか?専門性の高い「法務係」や「会計係」あるいは
お屋敷の「給仕係」も難しそうですね。しかし私たちは「配送係」こそ難しいのではないかと考えました。
職人に敬意を払いながら対話すること。食品衛生にまつわる知識。配送業界の常識。品の良し悪しの評価。
文章処理、表計算の速さ。試算の正確さ。ECの作法。HTMLの知識。写真加工。配送トラブルの対応。
月に何十とある品目を同時進行するために、3次元的なタスク構造の把握と、優先順位の決定が必要です。
しかし、ここで求人をするときの職種名は、どうしても「事務」や「EC担当者」となってしまいます…
誰でもできそうに見えがちですが、実際はそうでもない。この矛盾に長年、採用係も苦労しておりました。
さらにこれまでにご用意した、800を超えるお品に「お嬢様、旦那様のために叶えた経緯」がございます。
ご存知のとおり、新しいお品が生まれる過程には、お便りや呟きなどの時間軸があり、当時の熱量などを
知らないまま扱うのは困難です。また、長い年月を経て変化したもの、綻びたものも、数多くございます。
どれだけ気をつけていても失敗が生じ、どこに気を配り、どこで手を抜けばよいか分からず、緊張状態が
続く、過酷な状況です。忘れることのない 2017 年の「11月の危機(経営破綻の回避)」の構造はいまも
執事の館・実行委員会に残っており、これまで何人もの使用人が合流と離脱を繰り返したのは、事実です。
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私たち執事の館・実行委員会が「コンセプトノート」によって明確な指標を作り、仕組みを整備しながら
効率と品質を高め、そして雇用の条件、労働の環境を整えてまいりました。使用人の心理的安全性が第一、
採用係、法務係、調達係などが全力であらゆる方法を試して、対策しました。厳しくも優しくもしました。
しかし現実には、トラブルとアクシデントが相次ぎ、そのたび古株の使用人がサポートに周り、ほんらい
取り組もうとしていたタスクが後回しになるパターンがございます。そして未熟だった私たちはこれまで、
手順を遵守しなかった使用人の成果や姿勢ばかり見て、業務負荷についての評価を疎かにしておりました。
先日のお便りで触れましたように、人(の脳)は余裕をなくすと感情の抑制が効かなくなり、最終的には
「たたかう」か「にげる」という極端な反応に至ります。当然、問題は問題ですし、無責任な振る舞いは
見過ごせませんが、そうなる立場、そうなる環境を改善しない限りは、同じことを繰り返してしまいます。
2026年7月をもって「お申し付けの品」を完結するのは、素材や資材、人件費、配送料の「コストの問題」
ではなく、執事の館・実行委員会の組織構成が長年にわたり上手くいっていなかった事実を認め、反省を
する意味が大きゅうございます。そして、ご用命くださっていた主が気負われる必要は全くございません。
これはお役目をいただいていた私たちの責任であり、そして13年かけてたどり着いた「答え」であります。
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最初のバラから数えて13年。この長い年月のあいだ、必死に「お申し付けの品」を続けてまいりました。
それは「名古屋の仮住まい」や「名古屋の本宅」を保ち、続けるためでもありましたが、お嬢様、旦那様や、
職人らにも頼られ、必要とされることに応えたい気持ちのほうが、ずっと強かったという自覚があります。
ここで 2017 年の「11月の危機」を振り返りますと、あのとき私たちが躓いたのは、上手くいっていない
出来事に向き合い、過ちや失敗を認めて改めることをしなかったからかもしれません。しかしその一方で、
半ば意地になり「仮住まい」を続けたことで、いまの「本宅」があるのも事実ですから、難しいものです。
使用人の立場で勝手なことを申しますが、私たちはことし夏をもって「配送係」を解散し、13年に渡り
ご愛顧をいただいたほぼ全ての「お申し付けの品」を廃番といたします。先週の土曜日からご用命を賜る
ほぼ全てのお品は、ことしの夏以降、同じ内容、構成にて承ることはない…として改めてご検討ください。
★お品の一覧 … https://www.butlers-house.net/cart 【5月、6月も精一杯お品をご用意いたします】
思い入れあるお品、繰り返しご用命を賜ったお品、「主と使用人」という関係性に基づき申しつけられた
数多くのお品を幻にするのは苦渋の決断です。何度も議論を重ねました。しかし、この体制を続ける限り
発展せず、お嬢様、旦那様の体験が向上しないことを認め、私たちは新たな段階に進みたいと考えています。
もし再び、お迎えになりたいお品があれば、改めてお伝えください。これまでより向上した内容と構成で
名古屋市のご別宅にお納めいたします。昔のあれが良かったからもういちど、というご要望も歓迎します。
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ここまで「ほぼ全て」と申し上げましたのは、パティシエールの弥富(やとみ)と竜宮(りゅうぐう)の
2名…立場上は外部の職人でなく、内部の使用人のお仕えは、今後も継続してご用命を賜りたく存じます。
「名古屋の拠点」にあったキッチンを「名古屋の本宅」に統合、お屋敷でお菓子を焼かせていただきます。
過去に差し上げたお便りの冒頭で例え話にした「スコーン工場」のお話が、現実になる展開でございます。
( 第1153号:ポンジ・スキーム。… https://www.butlers-house.net/blog/article/1512 )
1階の作業場だった部屋はパティシエールの厨房に。3階の物置きだった空間を手芸係のアトリエにして、
夏以降の「お申し付けの品」は、お屋敷で作られ、お屋敷で包み、お屋敷から発送する体制にいたします。
スコーンが焼けたら、家事係が梱包を手伝い、アクセサリを試作したら「赤の広間」にお持ちしましょう!
そして紅茶係、製菓係、和菓子係などの職人のお品は、夏以降、配送係に代わる新たな係が打ち合わせて、
ゼロからひとつずつ、お品を拵えてまいります。内容も容量も組み合わせも、紹介の文も、添える手紙も
オマケも全部やり直します。そして夏以降、ご用命を賜るのは職人ごと、月に1〜2品に留めて参ります。
(ただご用命になれる箱の総数は、過去と同等にしたい考えでおります。どうか気長にお待ちください。)
これと同時に、ホームページ…つまり「主の手帳」も作り直し、「お申し付けの品」のご用命においては
21時10分ちょうどからの、いわゆる「早い順」をやめます。それに代わり、使用人らが一覧をご用意して、
お嬢様、旦那様からご入用のものを伺ったあと、手配の可否をご報告する…抽選のような流れを検討中です。
つまり、私たちはこれまでより一層「お家のお仕え」を追究し、主との穏やかな関係性を叶えたいのです。
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この決定は昨晩までに、使用人一同、職人らにも共有されました。やはり誰もが驚き、やがて納得しつつ、
「皆が同じところでお仕えをする」という展開や、「初めから当事者でいられる」という事実に、どこか
胸を躍らせている気がします。お嬢様、旦那様へのお仕えは今後も続き、物語が終わることはございません。
まことに長いあいだ、遠回りをいたしました。何百、何千の人と接して、何百、何千という資料を拵えて、
ようやく使用人に求められる条件がわかり、私たちがどの水準にあるか客観的に申せるようになりました。
過去は無駄ではありませんでしたが、同じことは繰り返さない。そのため、仕切り直しをしたく存じます。
ずうっと昔、なんのあてもなかった私たちが、お嬢様、旦那様のお力添えによって「名古屋の本宅」を叶え、
今日に至ります。そんなの無理だ、ダメに決まっていると言われていたことを実現した自負がございます。
私たちならできます。主(あるじ)も使用人も職人もみな、豊かで幸せな関係性を築けると信じています。
先ほど申し上げました新しい体制、環境のことは長くなりますから改めてご説明とご相談の場をください。
まずは配送係の解散と、それに至った経緯のご報告。そして簡単ながら今後の見通しをお伝え致しました。
いま棚にございます「お申し付けの品」、来週月曜日までご覧ください。ご愛顧に心から感謝いたします。
★お品の一覧 … https://www.butlers-house.net/cart 【5月、6月も精一杯お品をご用意いたします】
本題が大きくなりましたので、のちほど別のお便りで近況をお伝えいたします。お屋敷はいつも通りです。
ちいさなお屋敷に、使用人たちが働きます。そこでおかえりなさいませ、と申し上げたい。名古屋の本宅。
執事の館・実行委員会
広報係/松原(まつばら)
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私たち執事の館・実行委員会は、おおむね水曜日と、土曜日の夜、お嬢様、旦那様にご報告をいたします。
もし広報係のお仕えにご満足をいただけて、お気持ちに余裕があれば、下記の「労い」をご検討ください。
・きょうの電書鳩を優しく撫でる。(労いのお気持ち)[ https://tinyurl.com/ymeykmrv ]
・きょうの電書鳩にお水をあげる。(スコーン1個ぶん)[ https://tinyurl.com/52fmk7xx ]
・きょうの電書鳩にご飯をあげる。(スコーン3個ぶん)[ https://tinyurl.com/yh68jbnn ]
2023年5月に「名古屋の本宅」を叶え、お嬢様、旦那様のお帰りをお待ちしております。ご予告は月1度。
これまでの経緯は、お便りの「バックナンバー」ほか、12年の「沿革」もお役に立てば幸いに存じます。
★沿革 … https://www.butlers-house.net/history
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★手帳の破棄 … https://www.butlers-house.net/mypage/secession









